コンクリート住宅は、木造・鉄骨造住宅に比べ、
高い気密性能を備えます。

気密性能は省エネ基準からは削除されていますが、大変重要な項目です。コンクリート住宅「パルコン」は、外壁・屋根がコンクリートで構成され、それぞれのコンクリートパネルの接合部に密着性の高いグラウトモルタルを充填し、屋外側に目地シールを施す納まりとなっています。また、サッシ^※などの開口部まわりにもシールを施し、構造体は極めて隙間が生まれにくい高度な気密性能が維持されます。

※サッシには、外部側のガラスの内側に特殊金属膜がコーティングされたLow-E複層ガラスを採用。一般複層ガラスの約1.5倍の断熱効果を発揮し、日射は約60％、紫外線は約82％カットします。なお、Low-EとはLow Emissivityの略で、低放射を意味します。

高性能断熱材で魔法瓶のように家全体を包み込み、
冬暖かく、夏涼しい、冷暖房効率もアップ。

コンクリート住宅「パルコン」の外壁は、他工法の柱間充填断熱方式や外張断熱方式と違い、全面内断熱方式を採用。魔法瓶のように家全体を高性能断熱材^※1で包み込み、エアコンのほどよい暖かさが保たれた快適な冬を過ごせます。
また、屋根面には、高性能断熱材^※2と、特殊モルタルを一体化し、歩行も可能な断熱ブロックを敷き詰め、強い日射熱を跳ね返す外断熱方式としています。屋根面から、外気温の影響を受けやすい最上階の居室も温度変化が少なくなり、冷暖房効率もアップします。

屋根面に敷き詰められた断熱ブロック

■外壁内断熱方式

■屋根外断熱方式

• ※1内断熱に用いる断熱材は、炎をあてても炭化して燃え広がらないという性質をもつフェノールフォームを採用。熱伝導率は0.02W/m・K^※3であり、一般の押出法ポリスチレンフォームより約40％、硬質ウレタンフォームより約20％も断熱性能が上回る高性能断熱材です。
• ※2屋根面に敷設する断熱ブロックの断熱材は、耐圧性･耐水性及び耐久性に優れた押出法ポリスチレンフォームを採用、熱伝導率は0.024W/m･K^※3であり、同質の一般的な材料に比べて約15％も断熱性能が上回る高性能断熱材です。
• ※3【W/m・K（ワット/メートル・ケルビン）】国際単位系（SI）における熱伝導率を表す単位。厚さ1mの材料の両面に1℃の温度差がある場合に、部材面1㎡あたりで1秒間に伝わる熱量であり、同じ厚さの材料であれば、この値が小さいほど断熱性能が高いということになります。

室温の変動が少なく心地よい、コンクリートは最高の蓄熱体です。

コンクリートは熱容量が非常に大きく、木造の約3倍もの熱量を蓄えることができます。大きな熱量を蓄えることができれば、それに接する空気の温度の影響を受けにくくなります。つまり、一旦、エアコン等によって整えられた室内の温度が、外気温の低い冬には冷めにくく、外気温の高い夏には暑くなりにくい環境となります。コンクリート住宅の「パルコン」は、冬は暖かく、夏は涼しい、快適な温度環境が長く維持されます。

■室温変動の構造体モデル比較イメージ

■材料1m3中に蓄えられる熱量の比較

（空気調和・衛生設備データブックより）

【kJ(キロジュール)】
国際単位系(SI)における熱量を表す単位。1kJは、0℃で5gの水を50℃にすることができる熱量に相当します。

24時間清潔な空気環境を保つ、オリジナル換気システム｢タルカス-Ｍ｣

24時間連続する空気循環で粉塵や花粉、PM2.5^※1、揮発性有機化合物/VOCやカビ菌などを含む外気を「タルカス-Ｍ」のフィルターでキレイにしたうえで居室へ運び、家中を循環させた後に排気。また、余分な湿った空気を滞留させることなく動かし続け、排出できるので結露を抑えることが可能です。
屋外から取り入れる空気量と排出する空気量をバランスさせて入れ替えることに加えて、屋内の空気をフィルターで浄化して循環させるため、2時間に1回^※2の割合で居室の空気を入れ替える換気システムに比べ、多量な空気の流れが確保されます。
また、天井埋込型のナノイーイオン発生装置（オプション）を取り付けて、ワンランク上の環境も実現できます。

• ※1PM2.5とは、2.5μm以下の微小粒子状物質の総称であり、WHOの国際がん研究機関は、PM2.5等の大気汚染物質による発がんリスクを最高レベルに分類しています。
• ※2建築基準法において定められた必要換気量であり、機械換気によって常時確保する必要があります。｢タルカス-Ｍ｣では、強運転において、この必要換気量(循環空気は算定外)を満たすように計画します。

Taisei Air Refreshment Circulation Advanced System - M.version

1居室等給気口

循環型給気ファンから送り出された空気を居室に供給する樹脂製の吹出口です。

2循環フィルター^※4

活性炭フィルターと集塵フィルターの2層構造で、ホルムアルデヒドやVOC、臭い・煙・ハウスダスト・PM2.5などを除去し、ウィルスの働きも抑制します。

3循環型給気ファン^※1

屋外と屋内の空気を混合し、各居室へ送り出します。ON・OFF・強制運転のスイッチがつきます。

4外気フィルター^※4

外気の粉塵・花粉・PM2.5を除去します。フィルターのお掃除は室内から簡単に行えます。

5屋外フード

屋外からの給気口と、屋内からの排気口を覆うように、外壁に設置する金属製のフードです。

63室同時排気ファン^※2

浴室・洗面・トイレなどの2～3箇所に設置した屋内排気口から空気を集め、屋外へ排気するファンです。ON・OFF・強弱運転のスイッチがつきます。

バス換気乾燥機（オプション）

3室同時排気ファンとしての機能に加え、浴室の暖房・乾燥の機能を併せ持ちます。

パイプファン

3室同時排気ファンのダクトエリアから離れた場所にあるトイレ等に設置します。

7屋内扉アンダーカット

居室に給気された空気を廊下・階段等の共用部に流すために、屋内扉の下部をアンダーカットします。

8床下排気ファン^※5

1階床がシステムフロアの場合に設置し、床下の空気を屋外へ排出します。

• ※1「タルカス-M」には冷暖房及び除湿・加湿の機能はなく、オプションとしてその機能を付加する機器の設定もありません。また、1台の循環型給気ファンでは能力が不足する場合は、2台を設置して2システムとするか、不足する居室単位に個別同時給排気型ファン（壁掛式）を設置します。
• ※2キッチンには別途、調理時に稼働させるレンジフードファンと専用給気口を設置します。
• ※3給気ダクト・循環気ダクト・排気ダクトともに、各必要管径のフレキシブルダクトを用います。
• ※4外気フィルター・循環フィルターともに、定期的な清掃や交換が必要となります。
• ※5オプションにて1階床をコンクリートパネルとした場合は、床下排気ファンは設置せず、床下は自然通気方式となります。

換気性能実験

居室内の煙が早く入れ替わることを確認しました。

※実験に使用した換気システムは、当社2×4住宅に採用された「タルカス」ですが、「タルカス－M」も同等の換気能力で設計されています。

一般的な換気システム

タルカス^※

目には見えない室内の様々な汚れを、
二重に装備したフィルターで除去します。

「タルカス-M」では、フィルターを二重に設置。外気フィルターは、粉塵や花粉、そしてPM2.5^※1まで強力にカットします。また、この外気フィルターには、オプションで追加装着できるNOx対策用フィルター^※2もご用意しています。循環フィルターは、活性炭フィルターと集塵フィルターの二重構造。活性炭フィルターは、シックハウスの原因となるホルムアルデヒドやトルエン・キシレンなどの揮発性有機化合物/VOCを吸着して大幅に減少させるとともに、タバコやペットの気になる臭いも強力に除去します。集塵フィルターは、家中に浮遊する0.3μm〜0.5μmという微細なハウスダストや花粉などのアレルギー物質を集塵し、タバコの煙までもカットするうえ、フィルターに含まれているカテキンの作用で、風邪などの原因となるウィルスの働きを抑制させる効果もあります。

■汚れの粒子の一般的な大きさ

※文献によって対象物と粒子の大きさの表現が異なる場合があります。